シックハウス症候群(Sick Building Syndrome)は、建物内の室内空気環境が原因で、居住者や利用者がさまざまな健康症状を訴える状態を指します。
これは特に、1970年代以降、エネルギー効率を高めるために建物が密閉化された結果、室内の換気が不十分になり、化学物質やその他の有害物質が蓄積しやすくなったことに関連しています。
シックハウス症候群の症状は多岐にわたりますが、以下が主な症状です。
目のチカチカ・かゆみ・充血
目の刺激感、乾燥感
喉の痛みや乾燥感
頭痛、めまい
疲労感、倦怠感
呼吸器症状(咳、息切れ)
皮膚のかゆみや発疹
集中力の低下、不安感
これらの症状は、特定の建物内で過ごしている間に現れ、離れると改善することが多い。
シックハウス症候群は複合的な要因によって引き起こされます。主な原因は以下の4つのカテゴリーに分類されますが、これらが相互に作用することで症状が悪化する可能性があります。
新築やリフォーム後の建物では、塗料、接着剤、家具、カーペットなどから揮発性有機化合物(VOCs)が放出されます。これらの物質は、目の刺激、頭痛、疲労感、呼吸困難などの症状を引き起こすことがあります。特に、ホルムアルデヒドはその代表的な物質であり、発がん性が指摘されています。
ホルムアルデヒド | 足・手・背中に湿疹・目のかゆみ・視力低下 | 合板(接着剂) |
アセトアルデヒド | 首筋・顔に湿疹・呼吸器刺激 | 有機溶剤 |
トルエン | 倦怠感・頭痛・中枢神経・ぜんそく | 接着剤・塗料 |
キシレン | 気道刺激 | 家具類・フローリング |
パラジクロロベンゼン | 咳・ぜんそく | 断熱・内装材 |
スチレン | ノド・目の刺激・めまい | 塗料・接着剤 |
フタル酸エステル | 頭痛・めまい | 防虫剤・芳香剤 |
ダイアノジン | イライラ感・うつ・不安 | 合成ゴム・樹脂 |
クロルピリホス | 皮膚のかゆみ・動悸・ほてり | 塩ビ関係接着剤・シロアリ駆除剤 |
有機リン | 神経中毒 | 殺虫剤・防虫・農薬 |
湿気の多い環境では、カビやダニが繁殖しやすくなります。これらの微生物やその代謝産物は、アレルギー反応や呼吸器系の症状を引き起こす原因となります。特に、喘息患者やアレルギー体質の人々にとっては深刻な問題です。
現代の建物は、省エネルギーを重視して気密性が高く設計されていますが、この結果、十分な換気が行われない場合があります。換気が不十分だと、上記のような有害物質が建物内に滞留し、シックハウス症候群を引き起こす原因となります。また近年では電磁波の影響も指摘されています。
ストレスをはじめとする心理的要因は、物理的・化学的要因と相互に作用し、症状の発現や悪化に重要な役割を果たします。これらの要因を理解し、適切に対処することが、総合的な予防と治療に不可欠です。
シックハウス症候群の予防と対策は、原因の除去と健康的な室内環境の創出に焦点を当てています。
室内の空気質を改善する最も基本的な方法は、適切な換気を行うことです。特に、新築やリフォーム後は定期的に窓を開けて外気を取り入れることが重要です。また、換気システムの設置やエアフィルターの使用も効果的です。
揮発性有機化合物を含む製品の使用を控えるか、低VOC製品を選ぶことが推奨されます。また、新しい家具やカーペットを購入した場合は、設置後しばらくの間、換気を十分に行い、化学物質が揮発するのを待つことが重要です。
十分な換気と共に、定期的な清掃や湿度管理も重要な要素となります。とくに理想的な室内湿度は40-60%とされており、この範囲内であれば、多くの有害な微生物の増殖が抑制され、人体にとっても快適な環境となります。加湿器や除湿器を活用し、適切な室内環境を維持することが求められます。
室内空気空間改善方法は「電子クリーニング」や「光触媒」などの方法がありますが、弊社では実際に様々な方法で化学物質の対策を手がけた結果、現在ではエアリフレ工法(抗酸化工法)を採用しています。
現在、家の建材に含まれる化学物質に対する国の規制は弱く、化学物質が家の室内空気環境を汚染し、自己免疫力が低下して、アトピー性皮膚炎、化学物質過敏症、シックハウス症候群などを発症する方や、体調不良が改善されない方がますます増える現状にあります。
私自身は、1997年に工務店「スペースマイン」を立ち上げ、最初から一番大切にしてきたことは「家づくり=健康」です。その後、1000人を超えるお客様のご相談に応え続けて来ました。
そのような過程に於いて、シックハウス症候群や化学物質過敏症、また近年では電磁波過敏症や香害などで苦しまれる多くの方のカウンセリングをおこなってまいりましたが、ご家族にも理解されず、お一人で悩みを抱えておられる方が非常に多い事を痛感しております。
症状などに少しでもお心当たりがございましたら、お一人でお悩みにならず、お気軽にご相談ください。